カメラを下ろしたあと、指より手の甲や前腕が気になることはありませんか?
写真を撮り終えて、カメラをテーブルに置いたとき。
指を開いたら、手の甲が張っているような感じがする。
手首を軽く回すと、前腕まで重い。
シャッターを押していた人差し指より、むしろカメラを支えていた手全体のほうが疲れている。
旅行やイベントで長く撮影した日だけでなく、散歩をしながら何枚も写真を撮ったあとにも、こんな感覚になることはありませんか?
撮影中は被写体や構図に意識が向いているので、手のことはあまり気になりません。
ところが、カメラを置いて手を離したところで、「今日はけっこう使っていたんだな」と気づくことがあります。

シャッターを押す指だけが働いているわけではありません
カメラを持っているとき、右手はグリップを握り、人差し指はシャッターボタン付近に置かれます。
左手も、レンズやカメラ本体を下から支えています。
このとき手では、「握る」「支える」「ボタンを押す」「ダイヤルを回す」といった違う動きを同時に行っています。
さらに、カメラを落とさないように持っている間は、指を大きく動かしていなくても、ある程度の力を保ち続けています。
握る動作には、指を曲げる側だけでなく、手首や指を支える前腕の筋肉も関わります。実際、握る作業では前腕の屈筋側と伸筋側の両方が活動し、繰り返す条件によっては伸筋側にも疲労が現れることが報告されています。
そのため、「指を使ったから指だけが疲れる」とは限りません。
撮影後に手の甲から前腕にかけて気になる感じが出るのも、カメラを支えていた時間を考えると不思議ではありません。
「痛い」ではなく、置いたあとに気づくことも
手の疲れというと、痛みや強いこわばりを想像するかもしれません。
でも、カメラを持ったあとの感覚は、もっと曖昧なことがあります。
たとえば、
「手をパッと開きたくなる」
「グー、パーをすると少し気持ちいい」
「手首を反らすと前腕が伸びる感じがする」
「カメラを置いた瞬間、手が軽くなった感じがする」
といった程度です。
一定の力で握り続けるような動作では、本人がはっきり疲労を自覚していなくても、局所的な筋疲労が残る場合があることも研究されています。
「撮影中は何ともなかったのに、帰ってから手が気になる」ということがあっても、感覚としては矛盾しているわけではありません。
カメラを置いたら、まず握る形をやめてみる
撮影の合間や帰宅後なら、特別な道具がなくてもできることがあります。
カメラを置いたら、そのまま手を休めるだけではなく、一度指を自然に開いてみます。
次に、手のひらを上にして、指を軽く伸ばす。
反対に手のひらを下にして、手首を無理のない範囲でゆっくり動かす。
ポイントは、強く引っ張ることではありません。
カメラを持っていたときとは違う位置に、指や手首を動かしてみることです。
また、撮影が続くときは、カメラを握ったまま休憩するのではなく、一度置いたりストラップに預けたりして、手からカメラが離れる時間をつくる方法もあります。
持ち続ける動作と、途中で完全に力を抜く時間が入る動作では、前腕の疲労の現れ方が異なることが報告されています。

自分で触るのと、人に触ってもらうのは少し違う
帰宅して前腕を反対の手で揉んでみると、「ここだったのか」と感じる場所が見つかることがあります。
ただ、自分で右手をほぐそうとすれば、左手は働きます。
左手をほぐすときは、今度は右手を使います。
自分で行うケアでは、どうしても片方の手は「する側」です。
人に触ってもらう場合は、この役割がありません。
手を使って何かをする必要がない状態で、手のひらや手の甲、指、手首、前腕などを触ってもらうことになります。
普段は自分で触らない前腕の外側や、手の甲側を触られて、「そこも使っていたのか」と気づくこともあるかもしれません。
カメラを持っていた時間が長いほど、気になる場所が必ず指先にあるとは限りません。
次に写真をたくさん撮った日は
撮影が終わったら、カメラを置いて、一度手を開いてみてください。
指先なのか。
親指の付け根なのか。
手の甲なのか。
手首なのか。
それとも前腕なのか。
「疲れているかどうか」を判断しようとしなくても、カメラを持っていたときとは違う姿勢にすると、気になる場所が分かることがあります。
写真を見返しながら、反対の手でそのあたりを軽く触ってみるのも一つです。
そして、自分で揉んでいるうちに「ここ、人にやってもらったら気持ちよさそうだな」と感じる場所があったら、それがその日の手の使い方を教えてくれているのかもしれません。


