ドアノブを下げると手首が痛い…レバーハンドルを開けるときに見直したいこと
ドアのレバーを下げたとき、手首が痛い。
最近は反対の手で開けることが増えた。
家の中では何度もドアを開けるので、そのたびに手首が気になる。
そんな状態になると、
「レバーを下げるときに、手首へ力を入れすぎているのかな」
と思うかもしれません。
一般に「ドアノブ」と呼ぶこともありますが、ここでは住宅でよく使われている横長のレバーハンドルを取り上げます。
レバーハンドルの場合、丸いドアノブのように握って回すのではありません。
レバーに手をかける。
下へ押す。
そのままドアを押す、または手前へ引く。
ほんの数秒の動作です。
ところが、手首が痛いときに注目してほしいのは、レバーを下げる瞬間だけではありません。
レバーを下げたあと、ドアをどう動かしているか。
ここまで見ると、「ドアを開けると手首が痛い」という困りごとを、もう少し細かく分けられます。

「レバーを下げると痛い」と思っていても、本当に痛いのはどの瞬間?
次にドアを開けるとき、いつ痛みを感じるか確認してみてください。
①レバーに手をかけたとき
②レバーを下へ押したとき
③レバーを下げたままドアを押したとき
④レバーを下げたままドアを手前へ引いたとき
⑤ドアを開け終わって手を離すとき
「ドアを開けると痛い」と一つにまとめていたものが、実際には③や④だったということもあります。
ここを分けるのには理由があります。
レバーを下げるだけなら、手と腕の動きは比較的小さいものです。
ところが、そのまま重いドアを手前へ引けば、肘や肩も使います。
反対に、ドアを向こう側へ押す場合も、手首だけで動かしているわけではありません。
つまり、
手首が痛い=レバーを押し下げる動作だけが問題
とは限らないのです。
同じレバーハンドルでも「押すドア」と「引くドア」では違う
自宅のドアをいくつか思い浮かべてみてください。
レバーを下げたあと、そのまま前へ押すドア。
自分の方へ引くドア。
軽い室内ドア。
少し重い玄関や共用部分のドア。
すべて同じ「ドアを開ける」ですが、手の使い方は同じではありません。
特に確認してほしいのが、引くドアです。
レバーを下げたあと、手をかけたままドアを自分の方へ引きます。
このときドアから離れて立っていると、腕を伸ばした位置から引き始めることがあります。
一方、ドアの近くに立っていれば、肘を曲げた状態から身体の方へ引くことができます。
手首だけを見ると分かりにくいのですが、立つ位置が変わると肘や肩の位置も変わります。
今日試せること① いつもより少しドアへ近づく
ここで一つ、今日から試せることがあります。
手首が気になるドアを開けるとき、いつもより少しだけドアへ近づいてからレバーに手をかけてみてください。
何センチが正解、という決まりはありません。
確認するのは、
「レバーに手をかけたとき、肘が伸びきっていないか」
です。
まず、いつもの位置から開けてみます。
次に少し近づいて、
レバーを下げる。
ドアを押す、または引く。
ここまで行います。
手首の感じに違いがあるでしょうか。
近づいた方が楽な人もいれば、ほとんど変わらない人もいます。
変化がなくても構いません。
「立ち位置を変えても同じだった」
ということも、自分の手の状態を知る一つの情報になります。
今日試せること② レバーを下げたあと、手を残しすぎていないか見る
もう一つ確認してほしいことがあります。
レバーを下げてドアが開き始めたあとも、同じ手で最後までドアを動かしていませんか。
特に大きく開けるときは、レバーに手をかけたまま腕を伸ばしたり、身体を後ろへ引いたりすることがあります。
一度、
「レバーを下げる」
と
「ドアを大きく開ける」
を別々の動作として見てみてください。
ドアが動き始めたあと、必要以上にレバーを強く握り続けていないか。
身体を動かさず、腕だけで最後まで開けていないか。
ドアと一緒に身体も少し移動できないか。
これなら道具も必要ありません。
次にそのドアを開けるとき、その場で確認できます。
反対の手で開ければ済む?
右手首が痛いと、左手でレバーを下げるようになることがあります。
痛みがあるときに、無理に右手を使う必要はありません。
ただ、
「最近、いつも左手で開けているな」
と気づいたら、その変化は覚えておいてください。
なぜなら、ドアだけでなく、
コップを持つとき。
バッグを持ち上げるとき。
着替えるとき。
仕事で物を扱うとき。
いろいろな場面で同じ手を避け始めている可能性があるからです。
本人にとっては一つひとつが小さな工夫なので、気づかないこともあります。
「右手首が痛い」という情報だけでなく、
「最近、右手を使わなくなった動作は何か」
を考えてみると、生活の中でどの程度困っているのかが分かりやすくなります。
朝は平気なのに、帰宅後は痛いならドアだけを見ない
同じドアなのに、朝はそれほど気にならない。
ところが仕事から帰ってきてドアを開けると、手首が痛い。
そんな違いがあるなら、ドアのレバーだけを原因と決める必要はありません。
その日の手は、玄関へ着くまでに何をしていたでしょうか。
パソコンを使った。
スマートフォンを持った。
仕事で道具を使った。
荷物を持った。
電車で手を使った。
そして帰宅して、最後にレバーを下げたところで手首の痛みを感じたのかもしれません。
反対に、朝起きて最初のドアから痛い人もいます。
ここで役立つのが、
「何をすると痛いか」+「いつ痛いか」
を一緒に見ることです。
細かな記録は必要ありません。
スマートフォンのメモなどに、
「朝は平気・夜は痛い」
「下げるとき」
「引くとき」
「重いドアだけ」
この程度を書いてみてください。
数日続けると、
「レバーを下げるときより、重いドアを引くときの方が気になる」
「朝より仕事のあとに出やすい」
など、自分でも違いを見つけやすくなります。

手首が痛いのに、なぜ肘や肩も確認するの?
手の痛み・こわばり専門ケアでは、
「ドアのレバーを下げると手首が痛い」
と伺ったとき、痛い手首だけを見れば十分とは考えていません。
レバーを下げるときなのか。
そのあとの「押す・引く」で痛むのか。
どのくらいドアから離れて立っているのか。
肘を伸ばしたまま開けているのか。
肩が上がった状態になっていないか。
仕事や家事では、その手をどのように使っているのか。
こうしたことも手がかりになります。
必要に応じて、腕や肘、肩の状態も確認します。
ただし、手首が痛い人全員に同じ確認をするわけではありません。
その人が実際に困っている動作を聞いて、見る場所を考えます。
「ドアを開けるときだけ」でも、生活の変化は見つけられる
ドアを開けるのは数秒です。
そのため、
「これくらいなら我慢できる」
と考えやすいかもしれません。
でも、
反対の手で開けるようになった。
重いドアだけ避けるようになった。
レバーを下げる前に手首のことを考えるようになった。
仕事から帰ったときだけ痛む。
以前は何も考えず開けていたドアで、毎回手の使い方を考えるようになった。
こうした変化も、今の手の状態を知る手がかりになります。
まず今日、よく使うドアを一つだけ選んでみてください。
そして、
レバーを下げたときなのか。
押したときなのか。
引いたときなのか。
どこで一番気になるかを確認します。
次に、少しドアへ近づいて同じ動作をしてみます。
さらに、朝と夕方で違いがあるかを見てみます。
これだけでも、「ドアを開けると手首が痛い」という一つの困りごとを、かなり具体的にできます。
手のケアでも同じです。
「手首が痛い」で終わらせず、
いつ、どの動作で、どう困っているのか。
そこまで分かれば、痛い場所だけを見るのとは違う角度から、今の手の使い方を考えることができます。
毎日何度も開けるドアだからこそ、できれば手首のことを考えず、いつものように開けたい。
そのために、まずは今日一回、いつもの開け方を確認するところから始めてみてください。


