段ボールのテープをはがしたあと、親指の爪先に残る違和感
宅配便が届いて、段ボール箱を開ける。
テープの端を見つけて、親指の爪を引っかける。少し浮いたところを人差し指でつまみ、テープを引きはがす。
中身を取り出して、箱を畳む。
ほんの数分の作業なのに、終わってから親指の爪の先や指先が、なんとなく気になることはありませんか?
重い物を持ったわけでも、長時間握り続けたわけでもありません。
今回は、段ボールのテープをはがすときの、親指と指先の使い方に注目します。

テープの端を探すとき、親指は何をしている?
段ボールを開けるとき、最初に難しいのは、テープを引っ張ることよりも、端を浮かせることかもしれません。
透明なテープは端が見つけにくく、爪で何度もこすったり、角を引っかいたりすることがあります。
このとき親指は、指の腹で物を押さえるのとは違う使い方をしています。
爪の先を薄いテープの隙間に差し込み、少しずつ持ち上げようとする動きです。
爪は硬い組織ですが、道具のように使っても負担がないわけではありません。爪の先に繰り返し力をかけると、欠けたり、割れたり、爪が浮いたりする原因になることがあります。
米国皮膚科学会(AAD)も、爪を道具代わりに使わないよう勧めています。アメリカ皮膚科学会
テープが少し浮くと、今度は指の腹が働く
テープの端をつまめるようになると、動作が変わります。
親指と人差し指の腹でテープを挟み、滑らないように力を加えながら引っ張ります。
このように小さな物を指先でつまむ動作は、精密つまみと呼ばれます。
親指と人差し指は、ただ両側から押しているだけではありません。物が滑らないよう、力の大きさや方向を協調させています。
指先の力の調整については、実際に親指と人差し指の力を測定した研究でも調べられています。PMC
段ボールのテープでは、接着力に逆らって引っ張る必要もあります。
途中でテープが切れてしまえば、また端を探して、爪で浮かせ、指でつまみ直す。
一枚のテープをはがすだけでも、爪先を使う動作と、指の腹でつまむ動作が交互に出てくるのです。
指先が気になるのは、力を入れた時間だけではない
例えば、ペットボトルを持つときは、指全体で容器を囲むように握れます。
一方、テープの端をつまむときは、親指と人差し指の狭い範囲で物を保持します。
使う場所も、力の加え方も違います。
また、爪先をテープの隙間に差し込むときには、爪の先端付近に局所的な力が加わります。
そのため、作業時間が短くても、爪先や指先に違和感を覚える場合があります。
ただし、爪先が気になるからといって、必ず爪が傷んでいるとは限りません。
爪が欠けていないか、指先の皮膚に小さな傷がないかなど、実際の状態を確認することが大切です。

爪でテープを浮かせずに開ける方法
段ボールを開ける機会が多いなら、爪先を使わない方法もあります。
例えば、先端が刃物になっていない開梱用の道具や、テープを切るための専用カッターを使う方法です。
テープの端を爪で探す必要がなくなれば、爪先に繰り返し力を加える動作を減らせます。
カッターを使う場合は、刃を深く入れすぎないようにし、手や箱の中身を傷つけないよう注意してください。
また、箱を閉じる側であれば、次に開ける人がつまみやすいよう、テープの端を少し折り返して貼る工夫もできます。
端が見つかれば、爪で何度も引っかく必要がなくなります。
テープをはがしたあと、どこが気になりますか?
段ボールを開け終わったあと、親指の爪先が気になるのか、それとも親指と人差し指の腹が気になるのか。
その違いは、作業中にどの部分を使っていたかを考える手がかりになります。
爪で端を浮かせる動作と、指の腹でテープを引っ張る動作は、似ているようで別の使い方です。
次に宅配便が届いたら、テープをはがすときの親指の動きを少し見てみてください。
普段は何気なく済ませている箱の開封にも、指先の細かな働きが隠れています。

