手をつくと手首が痛い|椅子や床から立つとき、手を使わずに済ませるには?
椅子から立ち上がろうとして、座面に手をついた瞬間に手首が痛い。
床から立つときも、つい手のひらを床についてしまう。
「手首を休ませたい」と思っていても、立ったり座ったりするたびに手を使っていたら、避けるのは難しく感じます。
でも、「手をつかないように気をつける」だけではありません。
立ち上がり方そのものを少し変えると、手首に体重をかけずに済む場面があります。
「手を使う」と「手に体重をかける」は別の動作
コップを持てる。
スマホも使える。
指も普通に曲げ伸ばしできる。
それなのに、椅子から立つために手をつくと手首が痛むことがあります。
このとき手がしているのは、物を持ったり指を動かしたりすることではありません。
手のひらを台につけ、腕を通して身体を支えています。
特に手首を反らした状態で手をつくと、手首には圧迫する方向の力が加わります。
手首の小指側の痛みなどでは、「手をついて体重をかける」ことが痛みの出る動作の一つとして医療機関でも挙げられています。
だから、日常生活で物が持てるかどうかだけではなく、
「手のひらをついて身体を支えたときはどうか」
も別に考える必要があります。

椅子から立つたびに手首が痛いなら、まず座る位置を変えてみる
椅子から立つとき、いつも座面や肘掛けを手で強く押しているなら、「手をつかないようにしよう」と意識するだけでは立ちにくいことがあります。
まず変えてみたいのは、手ではなく立つ直前の位置です。
椅子に深く座ったまま立とうとせず、いったんお尻を座面の前のほうへ移します。
次に、足を身体から遠くに置いたままにせず、少し椅子側へ引きます。
そこから上半身を前へ移して立ち上がります。
深く座った位置から身体を真上へ持ち上げようとすると、手で座面を押したくなります。
立つ前の位置を変えることで、手を使わずに立ちやすくなる場合があります。
低い椅子だけ手をついてしまうなら、「手首」以外に変えられるものがある
ダイニングチェアなら手を使わずに立てる。
でも、低いソファから立つときだけ手をついてしまう。
そんな場合は、すべての「立ち上がる」を同じに考えなくてもよいでしょう。
違っているのは手首ではなく、座っている高さだからです。
一時的に座面を高くできるクッションなどを使えば、立ち上がる距離を変えられます。
ただし、柔らかすぎて身体が沈み込むクッションでは、かえって立ちにくくなることがあります。ずれにくく、座ったときに安定するものを選びます。
「手首が痛いから、手首をどうするか」だけではなく、
手首を使わなければならなくなっている環境を変える
という方法もあります。
床から立つときは、椅子と同じ方法ではいかない
困るのが、床から立ち上がる場面です。
床からでは高さがないため、椅子のように少し前へ座ればよいわけではありません。
ここでは、「手のひらを床について身体を押し上げる」という動作を減らせないかを考えます。
たとえば、いったん片膝を立てる姿勢になり、脚を使って立ち上がる方法があります。
安定した家具などにつかまる必要がある場合も、手のひらを下に向けて手首を大きく反らせ、上から体重をかける方法とは手首の使われ方が変わります。
ただし、膝や脚にも痛みがある方、ふらつきがある方は、手首を避けることだけを優先して転倒しないようにしてください。
意外と見落とすのが「立つとき以外に手をついている場面」
手首が痛いと、「仕事で手を使いすぎたかな」「スマホかな」と考えることがあります。
でも一日の中で、
ベッドから起き上がるとき。
ソファから立つとき。
床から立つとき。
靴を履いて身体を起こすとき。
低い場所から立つとき。
何度も手のひらをついて身体を支えている人もいます。
ここで見るのは「今日は何時間手を使ったか」ではありません。
一日に何回、手首へ体重をかけたかです。
もし「手をつくときだけ手首が痛い」のであれば、物を持つ時間を減らすだけでは、痛みが出る動作そのものはあまり変わりません。
まず、いつ手をついているかを一日だけ拾ってみます。
その中から、
椅子なら座る位置を前へ変える。
低いソファなら座面の高さを変える。
床なら立ち上がる順番を変える。
というように、手をついている場面ごとに一つずつ方法を変えてみます。
「手を休ませる」ではなく、手首を身体の支えとして使っている回数を減らすという考え方です。

手をつく痛みが続くなら、場所も確認しておく
手をついたときの手首の痛みには、さまざまな原因があります。
特に手首の小指側では、TFCCと呼ばれる組織の損傷などでも、手をついて体重をかけたときに痛みが出ることがあります。
転倒して手をついたあとから痛みが続いている、明らかな腫れや熱感がある、強く痛んで身体を支えられない、手首が不安定に感じる、しびれや感覚の変化がある場合などは、使い方を変えるだけで済ませず、整形外科などで確認してください。
一方で、日常生活を続ける中では「手を使わない」はなかなかできません。
だからこそ、
何を持ったら痛いのか。
何をつまんだら痛いのか。
だけではなく、
自分の身体を支えるために手を使ったときはどうなのか。
そこまで分けてみると、「手首を休ませるために生活全部を止める」のではなく、変えられる場面が見つかることがあります。

