雨の日、傘を持っていると手が疲れる…傘の重さだけが理由ではありません
雨の日、駅まで歩いている途中で、
「傘を持っている手が疲れてきた」
と感じることはありませんか?
家を出たときは何ともなかったのに、駅に着く頃には指が疲れている。
通勤時間が長い日は、傘を持ち替えたくなる。
風が強い日は、手首まで痛くなることがある。
それでも傘を差さないわけにはいかないので、そのまま歩き続けます。
こうしたとき、「傘が重かったから」と考えがちです。
確かに傘そのものの重さも関係します。
しかし、雨の日に手が疲れやすくなる理由を考えるときは、傘を何分持っていたかだけではなく、雨の中をどう歩いていたかまで見てみると、普段とは違う手の使い方が見えてきます。

傘は「持つ」だけではありません
コップやバッグを持つのと、傘を持つのは少し違います。
傘は、歩いている間ずっと同じ位置に保つ必要があります。
雨の向きが変われば傾ける。
人とすれ違えば少しよける。
風が吹けば飛ばされないように支える。
さらに、傘の柄が滑らないように指で握っています。
つまり、
握る・支える・傾ける・元の位置へ戻す
という動作を歩きながら何度も行っています。
特に風の強い日は、傘が急に持っていかれそうになり、反射的に柄を強く握ることがあります。
普段なら軽く握っている人でも、この瞬間は指や手首にかなり力が入ります。
雨の日だけ手が疲れる方は、「傘を持っていた時間」だけではなく、風に逆らって傘を支えていなかったかも思い出してみてください。
通勤バッグを反対側に持っていませんか?
もう一つ見落としやすいのが、傘を持っていない方の手です。
普段は右手で通勤バッグを持っている人が、右手で傘を差すとします。
するとバッグは左手へ。
いつもと違う手でバッグを持ち、もう一方では傘を支えることになります。
つまり雨の日は、左右どちらの手も休みにくい状態になりやすいのです。
さらにスマートフォンを確認する、ICカードを取り出す、コンビニで財布を出すとなれば、一度どちらかの荷物を持ち替えなければなりません。
「雨の日の通勤後は手が疲れる」という場合、傘だけを原因にせず、
傘+バッグ+スマートフォン+財布
まで含めて考えてみると、手を何度も使っていることが分かります。
傘を持つと肩まで上がっていませんか?
傘を差して歩いているとき、一度肩にも注目してみてください。
傘を高く持とうとして、肘を曲げたまま肩まで少し上がっていることがあります。
さらに雨で洋服を濡らしたくないと、無意識に体を小さくして歩く人もいます。
この姿勢のまま10分、20分と歩けば、手だけでなく腕や肩も同じ位置を保つ時間が長くなります。
そして肩や腕を十分に動かしにくい状態では、傘の向きを変えるときに手首を多く使うこともあります。
手首が痛いからと手首だけを気にしていたけれど、実際には肩を上げたまま傘を持っていたということも考えられるのです。
雨の日は「見る場所」も変わります
手とは関係なさそうですが、視線にも注目してみましょう。
雨の日は、
水たまりを避ける。
滑りそうな場所を見る。
前から来る傘を確認する。
車の水はねを気にする。
晴れた日よりも足元や近い場所を見る時間が増える人がいます。
顔が下を向けば、首も前へ傾きやすくなります。
さらに傘を差しているため、腕は自由に振れません。
手・腕・肩・首を普段とは違う状態で使いながら歩いているわけです。
そのため、「手が疲れたから握力だけの問題」と決めつけず、雨の日にどんな姿勢で歩いているかまで見てみる価値があります。
今日からできる対策① 信号待ちで一度だけ指を開く
雨の中で傘を何度も持ち替える必要はありません。
まず試してほしいのは、屋根のある場所や安全に立ち止まれる場所で、傘を持っていた指を一度開くことです。
ずっと柄を握ったままにせず、
手を開く
↓
指を軽く動かす
↓
再び傘を持つ
これだけです。
雨の日の移動では、「家から駅までずっと握りっぱなし」になりやすいため、途中で一度握る動作をやめる時間を作ります。
今日からできる対策② バッグの中身を雨の日だけ減らす
傘を軽くすることだけを考えず、もう片方の手に持つ物を減らす方法もあります。
例えば雨予報の日は、
読み終わった書類をバッグから出しておく。
使わないポーチを置いていく。
飲み物は駅や職場に着いてから買う。
折りたたみ傘を持つなら、バッグ本体を軽いものにする。
一つひとつは数百グラムでも、傘を持ちながら歩く日は違いが出ます。
「手が疲れるから傘を買い替える」だけでなく、雨の日に両手が何を持っているかを確認してみてください。

今日からできる対策③ 傘の柄を必要以上に強く握っていないか確認する
風がない場所でも、傘が飛ばされないようにずっと強く握っている人がいます。
建物の間など風が弱い場所へ入ったら、一度、
「今、この強さで握る必要があるかな?」
と確認してみます。
指先が白くなるほど力を入れていたり、親指を柄へ強く押しつけていたりしたら、少し力を緩めてみましょう。
ただし、強風時は安全が最優先です。無理に握る力を弱める必要はありません。
雨の日だけ気になる手にも理由があります
晴れた日は何ともない。
でも雨の日の通勤後だけ手が疲れる。
傘を長く持つと指がこわばる。
風の強い日に傘を差すと手首が痛い。
こうした場合、「手が弱くなった」と考える前に、雨の日の行動を一度細かく見てみてください。
傘を握る。
風に合わせて傾ける。
バッグを反対の手で持つ。
財布やICカードを出すたびに持ち替える。
肩を上げた状態で歩く。
足元を見るため首が下を向く。
晴れた日の移動とは、手や体の使い方がかなり違います。
手の痛み・こわばり専門ケアでも、痛い場所だけではなく、「いつ、何をしているときに困るのか」を伺うことを大切にしています。
「雨の日の通勤だけ手首が痛い」のような、一見すると小さく思える違いも手の状態を考えるための情報になります。
毎日ずっと痛いわけではなくても、特定の生活場面で繰り返し気になるなら、その場面を覚えておいてくださいね。
手だけを見ていては分からなかった理由を見つける手がかりになることがあります。

